業務の隙間を埋める技術メモ。

「それ、作れるか?」より 「それ、作って大丈夫か?」を考えたい。 業務で“ちゃんと使える”かどうかを、 実際に手を動かして確かめたログを残しています。

NetSuiteの入金消込はなぜ事故るのか?5つの問題と改善設計

NetSuiteを導入してしばらくすると、どこかのタイミングで必ず出てくる話題があります。 「入金消込、この運用で本当に大丈夫?」 実際に運用してみると、だいたい次のような問題にぶつかります。 全銀データと顧客名が一致しない 一括入金の配分ミス 誤消込…

社内備品の「誰が持ってる問題」をなくすDXをPower Platformだけで作った話

会社にいると、なぜか必ず発生する問題があります。 「あの備品、誰が持ってる?」 ノートPC、モバイルルーター、HDMI変換アダプタ、検証用端末、会議用マイク…。存在は確かにあるはずなのに、所在が不明になる現象。 よくある運用の末路 だいたい次のどれか…

会議室の“空予約”を自動削除してみた。Power Automateで作る超ミニDX

会社の会議室、予約は埋まっているのに誰も使っていないことってありませんか。 私はかなりあります。 「この時間空いてないじゃん…」と思って別の時間を探していたら、実はずっと空いていた、という経験は一度や二度ではありません。 これ、よくある話です…

このAI激変のときに、あえてプログラミングを外注してみる

生成AIが開発現場に入り込んでから、「コードを書く」という行為の意味が大きく変わりつつあります。 PythonやJavaScript程度なら、要件を書けば数十秒でそれなりに動くものが出てくる。最近では、ERPのような業務特化領域ですら、かなりのところまで生成で…

ITの要件定義で使えるAI活用ネタとは? ― 何も決まっていない“最初の30分”を救う使い方 ―

AI

要件定義という工程は、いつもこう始まります。 何を作りたいのか、まだ言語化されていない 顧客も「困ってる気はする」くらいの温度感 こちらも正解が見えないままヒアリングに入る つまり、 全員ふわっとした状態でスタートするのが要件定義 です。 ここで…

Power Platformで社内試験アプリを作る方法|第4回:Power Appsで出題ロジックを実装する 〜ランダム出題・セッション固定・1問ずつ表示まで一気に作る〜

次にやること:Power Appsで「出題ロジック」を作る ここからようやく 画面を触ります。でもやることはシンプルで、 セッションを作る 問題をランダムに引く 1問ずつ表示する まずは 「出題される」状態 を作ります。採点も保存もまだ後です。 今回やること…

問題マスタと回答ログをどう作るか 〜SharePoint設計を最初にちゃんとやる〜

はじめに。 データ構造を決めないと、試験アプリは必ず詰まります 試験アプリを作るとき、一番最初に決めるべきなのは画面でもフローでもありません。 データ構造です。 ここを雑にすると、あとで必ず詰みます。修正が効かない、分析できない、運用が回らな…

Power Platformで社内試験アプリを作る方法|第1回:全体設計と役割分担

前回の記事では、なぜ「社内試験」という仕組みが必要になり、なぜPower Platformを選んだのか、という背景を書きました。 今回はそこから一歩進み、社内試験アプリをどう作るかを、設計レベルで解説します。 いきなり画面やフローの話には入りません。Power…

【Power BI】標準原価計算で「開発・生産の進捗」をガッツリ見える化してみた!

今回は、製造業やシステム開発の現場で避けては通れない「標準原価計算」をPower BIに組み込み、進捗とコストの状況を一目で把握できるダッシュボードを作ってみたので、その作り方を詳しく解説します。 単に進捗率を出すだけでなく、「本来かかっているはず…

「なんかこんな資料出せる?」が炎上に変わるまで

――経営と現場の、どうしようもない立場の違いについて―― AIやデータ活用、DXといった文脈で、似たような失敗を何度も見てきました。そしてその多くは、技術的な失敗ではありません。もっと根の深い、「立場の違い」から始まっています。 今回は、よくある一…

日本のAI開発の立ち位置と、現場エンジニアはどう向き合うべきか

AI

※今回は若干マクロ的な観点からの考察です。 AI、特に生成AIの進展は、ここ数年で社会や産業の前提条件を大きく変えつつあります。ChatGPTに代表される大規模言語モデル(LLM)の登場以降、「AIを使うかどうか」ではなく「AIを前提にどう設計するか」が問わ…

Cursorって何がいいの?をAIに聞くと「普通の答え」しか返ってこないので、会社で使っていい人・ダメな人の観点で整理してみた

AIに「Cursorって何がいいの?」と聞くと、だいたい返ってくるのは、こんな答えです。 CursorはAIを統合した次世代のコードエディタです。自然言語でコード生成や修正ができ、生産性向上が期待できます。 ……はい、それは知っています。 でも、会社でツール選…

NetSuiteにExcelっぽい操作感を持ち込むのはどこまでアリか、実際にやってみた 〜Suiteletで予算入力用シートをそのまま置く実験ログ〜

結論(先に) NetSuite標準UIだけだと Excelっぽさは足りない でも Suitelet + スプレッドシートUIを使えば 「ほぼExcel」な入力画面は出せる 予算入力・修正・再提出まで、意外と現実的 ただし、ロール制約と操作責任は要注意。これは「便利だから誰でも触…

Power Automate と n8nを比べてみた 〜「分析」が嫌いな人間が、比べることで腹落ちさせた話〜

「分析」という言葉が嫌いだ、という話から始めたい 「分析します」と言われると、なぜか正しいことが言われる前提になる空気がある。 でも実際はどうか。 何を見たのか分からない 何と比べたのか分からない 結果だけそれっぽい言葉でまとめられる それを「…

Power Automate と Pythonで Excel いじりを比べてみた 〜結局どっちが勝つのか、実務で試した結果〜

結論(先に言う) 勝敗は用途で完全に分かれる。 業務フローに組み込みたい・人が触る前提 Power Automateの勝ち 処理量・柔軟性・ロジック重視 Pythonの圧勝 「Excelをどう使いたいか」を間違えると、どっちを選んでも地獄を見る。 今回やったこと(比較…

NetSuite保存検索がうるさすぎる問題をどうにかした話 〜「絶対にヒットしない条件」を安全に量産する方法〜

結論(先出し) NetSuite保存検索の「条件を1個入れるたびに検索が走る問題」は、 インラインのカスタムフィールドを1つ追加し 「そのフィールドに値が設定されていること」を初期条件にする ことで、保存検索だけを使って、実質“検索実行ボタン付きフォーム…

世紀末オフィスを救え。 椅子取り合戦を終わらせるため、Power Platformだけで座席予約アプリを作ってみた話

きっかけ:静かなオフィス、荒ぶる全社会議の日 普段のオフィスは、正直がらんどう。固定席もないし、来客も少ない。「今日はどこ座ろうかな」くらいの、のどかな世界。 ところが全社会議の日。 リモート勤務のメンバーが一斉に出社し、開場と同時に始まる椅…

キャッシュアウト予測と承認フローの関係 〜現場で実際に起きた「ちょっとした混乱」から考える〜

はじめに ちょっとDX事例からそれるけど、これはこれで現場の困った事例を挙げてみますね。 1. まず、現場で何が起きたのか ある月末のこと。 経理「今月の支払、だいたいこのくらいです」 社長「“だいたい”じゃなくて、来月の資金繰りを見たいんだよ」 経理…

承認フローが遅い“本当の理由”をPythonで可視化してみた

「承認が遅いんです」は、だいたい誰のせいでもない ある日、業務部門からこんな話を聞きました。 「承認フローがとにかく遅くて…月末になると全部詰まるんですよね」 よくある話です。でもここで不思議なのが、 承認者がサボっているわけでもない フロー自…

「それ、VBAで作るやつじゃないですよね…」 〜Power Automate案件をVBAで3日溶かしかけた話〜

ある日の雑談から始まった たまたま経理の女性と話す機会がありました。雑談の流れで、最近の業務効率化の話に。 「最近、何か頼まれて作ってるものあるんですか?」 すると、少し困った顔でこう返ってきました。 「経理主任から、仕入れ先から請求書のメー…

予算表と実績データをつなげてみた話 〜PythonとPower Platformで「合ってないところ」が見えるようになった〜

正直な出発点 予算と実績は、たぶん完全には合わない 予算表と実績データを扱っていると、最初からこう思ってました。 どうせ全部は合わない 部門も科目もズレる 最後は人が直す なので今回も、 きれいに一致させることは目標にしない という前提で始めまし…

熟練者が辞めた瞬間、品質は「見えない問題」になる 〜能力を測れない会社が、Power Platformで社内試験を作った話〜

とっかかり:品質問題は、ある日突然やってくる 品質問題は、いつも静かに始まる。 クレームが少し増える 手戻りが多くなる 「前はこんなミスなかったよね」が増える そして、たいていその少し前に、熟練者が一人、会社を去っている。 ある日、経営層から出…

失敗したDX案件の供養回 〜「たぶん終わらないです」と言われた朝〜

DX

はじめに:この一言がすべてだった DX案件が失敗する瞬間は、だいたい派手じゃない。 エラーも出ない。怒号も飛ばない。 ただ、ぽつりと置かれた一言で終わる。 今日の締め新システムだとたぶん終わらないです この言葉が出た瞬間、プロジェクトは静かに死ん…

「無茶振りを要件に翻訳する技術」 〜IT部門主任が“炎上案件”を静かに無力化する思考プロセス〜

AI

今回はケーススタディで行ってみます。 登場人物 自分(IT部門 主任) 現場と経営の翻訳家。 無茶振りを受けるたびに「これは事故か?」を瞬時に判断してしまう癖がある。 上司(部長) IT知識ほぼゼロ。悪気なし。 だが「とりあえず聞いてみて」が多い。 社…

【やってみた】Power Automate × NetSuiteで 「支払承認が滞る問題」を半日で解消した話

はじめに(導入) NetSuiteで支払請求書(Vendor Bill)を運用していると、こんな声、聞いたことありませんか? 「承認依頼、来てたの気づかなかった」 「誰で止まってるのか分からない」 「結局Slackで催促してる」 うちの現場もまさにこれでした。承認フロ…

キャッシュが足りないとき、何を止める?|Netsuite実験ログ

キャッシュアウト予測を出すと、必ずこの瞬間が来ます。 「……足りない」「全部は払えない」 今回は、NetSuite上の情報だけを使って“何を止めるか”をどう判断できるかを、実際に試したログとして整理します。 今回の実験テーマ 止める/止めないの判断軸 NetS…

支払承認ログを監査でどう使うか|Netsuite実験ログ

支払承認フローを作ると、次に必ずこう聞かれます。 「これ、証跡として使えるの?」「監査のとき、何を見せればいい?」 今回は、NetSuiteに残る「支払承認ログ」を、監査対応で実際にどう使えるのかを実験してみました。 今回の実験テーマ 支払承認ログは…

支払承認フローをすり抜ける事故パターン|Netsuite実験ログ

支払承認フローを作った直後は、だいたいこう思います。 「これで勝ちだ」「もう勝手に払われることはない」 でも、運用を回し始めると“普通にすり抜ける”事故が起きます。 今回は、実際に起きやすい「承認フローすり抜けパターン」をNetSuiteで再現してみた…

支払予定日を使った支払承認フローを作ってみた|Netsuite実験ログ

支払予定日を入れ始めると、次に必ず出てくる要求があります。 「この支払、本当に今払っていい?」「誰がGO出したのか分からないのが怖い」 今回は、支払予定日を判断軸にした支払承認フローをNetSuiteで実際に作って、どう使えるかを試しました。 今回の実…

支払予定日で支払請求書を管理してみた|Netsuite実験ログ

支払請求書(Vendor Bill)が増えてくると、金額よりも先にこう思うようになります。 「これ、いつ払うんだっけ?」「月末に払うやつと、来月でいいやつが混ざってる」 今回は、支払予定日(Due Date)を軸に支払請求書を管理すると、NetSuite上で何が変わる…