業務の隙間を埋める技術メモ。

「それ、作れるか?」より 「それ、作って大丈夫か?」を考えたい。 業務で“ちゃんと使える”かどうかを、 実際に手を動かして確かめたログを残しています。

iPhoneの天気予報とエンジニアの工数申告は、なぜこうもアテにならないのか

 

世の中には「アテにしてはいけないもの」が最低2つあると思っています。

ひとつは iPhoneのお天気アプリ
当たりませんね、アレ……(笑)
テレビとYahoo!天気が「晴れ」と言うのにiPhoneだけ「雨」とか、その逆もザラ。リモートワークでほぼ外に出ないので、実害は豚が降ってもほぼゼロなんですが、それでも「なんでこんなに当たらないんだろ」と思うわけです。

そしてもうひとつが、エンジニアが毎月申告してくる実績工数
これがまた、見事なまでの予定調和。アテになりません(泣)


分単位入力の地獄。人間工学どこいった?

私の会社では、エンジニアごとにプロジェクト・日ごとに「3時間24分」とかを時分単位で手入力します。
この“分単位のプルダウン”が特に曲者で、60項目をスクロールしていちいち選ぶ地獄。マウス前提のUIで大量入力とか、開発者は何を思っていたのか……。

その結果、たった1時間の工数申告のために、ログインから27アクション。
こんなUIで「精緻に入力しろ」というほうが無理です。
工数を入力するための工数がかかるという本末転倒っぷり。

そりゃみんな、月末に「予算通り」の工数をまとめて入れますよね。管理者も予定どおりの消化率で喜ぶし、全員幸せ……いや、そんなわけない。

 


複数プロジェクトを跨ぐエンジニアの工数なんて信用できるの?

1案件にフル投入されているエンジニアならまだいいんです。
勤怠時間を全部案件に突っ込めば終わりだから。

問題は、複数プロジェクトを並行するタイプ
はい、私です。

見積りを作るとき、過去の実績工数を参考にしたいのに、
出てくるのは“予定調和された数字”。
ぜんぜん当てにならないので、結局エンジニアに個別ヒアリング。
「あの工数でできるわけないでしょ!」的な会話で盛り上がり、やっぱり実績値は信用できない……。

 


もう自分で仕組み作るしかない → 作りました

ということで、作りました。

backlogで記事投稿 → その場で工数申告させる仕組み

流れはこうです。

  1. backlogに投稿

  2. メール通知が飛ぶ

  3. Power Automateがメールを拾う

  4. 投稿者に「工数は?」とTeams通知

  5. 投稿者はボタンで選ぶ

  6. データは SharePoint に貯まる

ポイントは“投稿直後に入力できる”こと。
情報の鮮度が高く、作業内容はbacklogのコメントから追えるので、トレーサビリティも完璧。

さらに、アウトプットが伴わない人は工数が付かないので、サボりも可視化されます(笑)


クリック一つで工数登録できる世界

Teams通知には、Adaptive Cardで30分単位のボタンを配置。
2分とか3分とか、あの手の「極小工数」は潔く切り捨て30分単位。
ボタンが10個程度に収まるので、サクッと終わります。

従来のようにログインして、スクロールして、時・分を選んで……なんて不毛な操作は一切不要。

月末の作業報告も、このデータをそのまま使えるのでラクになりました。


APIを避けてメール経由にした理由

実はbacklogと直接API連携したほうがスマートなんですが、

  • APIキーの発行が面倒

  • クライアント管理のbacklogだとセキュリティ審査が発生

  • そもそもメールは枯れた技術で扱いやすい

という理由から、あえてメール経由にしました。
おかげでいろんなプロジェクトに流用できます。

ただし、メールがたまにHTMLで来る問題には悩まされました。こればっかりは投稿者の設定次第なので、HTML使うなとルール付けも困難なので対応したんですけど、メール内容を解析するためにPower Automateで分岐を組むの、地味に大変なんですよ……。
プログラムならif文ちょろっと書いて済む処理をGUIでカチャカチャやる虚無感。

 


backlogの実績工数フィールドが使えない理由

backlogには工数フィールドがあるんですが、
課題に対して一つしかなく、累積入力を手計算で更新する必要があります。

38時間実績工数が積み重なった課題に5時間追加する必要があるからえーっと、せや、43時間で再入力しよ的な……
いや、それくらいコンピュータがやれよ、と。
設計や実装で頭フル回転中のエンジニアに、こんなつまらん足し算させたくありません。

 


低コストで“活動原価”が取れるようになった

こうして作った仕組みのおかげで、ほぼお金も手間もかけずに

  • 作業実績の鮮度UP

  • 見積精度の向上

  • エンジニア評価の透明化

  • プロジェクト横断の工数ラッキング

が実現しました。今のところ、部内の10数名が使ってる感じです。

このデータが積み上がれば、見積の標準化にも使えそうです。
あとは……私のやる気次第ですが(笑)


まとめ

iPhoneの天気予報と同じくらいアテにならなかった工数管理。
それをノーコードツールでここまで改善できるとは、自分でもビックリ。

小さな工夫でも、仕組みを変えれば仕事のストレスは大きく減る。
そんなことを実感した出来事でした。