業務の隙間を埋める技術メモ。

「それ、作れるか?」より 「それ、作って大丈夫か?」を考えたい。 業務で“ちゃんと使える”かどうかを、 実際に手を動かして確かめたログを残しています。

分割請求したあと出荷したらどうなる?NetSuiteで実際に試してみた

前回の記事では、
NetSuiteで一部請求(分割請求)ができることを確認しました。

ここまで来ると、次に必ず出てくる疑問があります。

「先に一部請求したけど、出荷はどう扱われる?」
「出荷を先にした場合と何が違う?」

今回は、
👉 分割請求と出荷を組み合わせたときの挙動
を、順番を変えながら実際に試してみました。


今回やること(ゴール)

  • 分割請求と出荷の関係を確認する

  • 操作順で何が変わるかを理解する

  • 受注の数量表示がどう変化するかを見る


事前条件

  • 在庫商品を含む受注が1件ある

  • 受注数量:10

  • 出荷・請求ができるロール


ケース設定(共通)

受注内容

  • 商品A(在庫商品)

  • 受注数量:10

  • 単価:10,000円

  • 受注金額合計:100,000円

以降はすべてこの受注を使います。


先に結論

NetSuiteでは「出荷済数量」を基準に、請求できる上限が決まる

つまり、

  • 出荷していない数量は原則請求できない

  • 分割請求と分割出荷は必ず数量で整合が取られる

この前提を頭に置いた上で、実際のログを見ていきます。


ケース① 先に一部出荷 → その後分割請求(王道パターン)

操作ログ

  1. 受注を開く

  2. 「出荷」を作成

  3. 出荷数量を 3 に変更

  4. 出荷を保存


出荷後の受注状態

  • 受注数量:10

  • 出荷済:3

  • 出荷残:7

  • 請求済:0

  • 請求残:10


次に請求書を作成

  • 請求書を作成

  • 請求数量:3(自動で上限になる)

  • 保存


請求後の受注状態

  • 受注数量:10

  • 出荷済:3

  • 出荷残:7

  • 請求済:3

  • 請求残:7

👉 出荷した分だけ、きれいに請求される
👉 最もトラブルが少ない流れ


ケース② 先に分割請求 → その後出荷

次に、前回の記事と同じく
先に分割請求してから出荷してみます。


操作ログ(請求)

  1. 受注から「請求書を作成」

  2. 請求数量を 3 に変更

  3. 請求書を保存


請求後の受注状態

  • 受注数量:10

  • 出荷済:0

  • 出荷残:10

  • 請求済:3

  • 請求残:7

👉
「お金は3請求したが、物はまだ出していない」状態


その後、出荷を作成

  • 出荷数量:3 までしか指定できない

  • 出荷残:7


出荷後の受注状態

  • 受注数量:10

  • 出荷済:3

  • 出荷残:7

  • 請求済:3

  • 請求残:7

👉 請求数量が 出荷の上限 になる


ケース③ 出荷3・請求0で止めた場合

操作ログ

  • 出荷数量:3

  • 請求はまだ作成しない


受注状態

  • 受注数量:10

  • 出荷済:3

  • 出荷残:7

  • 請求済:0

  • 請求残:10

👉
「物は一部出たが、まだ請求していない」
という状態が数字だけで分かる。


ケース④ 出荷3なのに全数量(10)を請求できる?

できない

  • 請求可能数量の上限:3

  • 出荷残7は請求対象にならない

👉 NetSuiteは数量のズレを許さない


やってみて分かったこと

  • 出荷と請求は完全に独立した取引だが、数量では強く連動している

  • 分割請求をすると、出荷可能数量も制限される

  • 受注は「進捗管理表」として機能する


実務でのおすすめ運用

物理出荷がある業務

👉 出荷 → 分割請求

  • 数量の整合が取りやすい

  • 状態が直感的


前受・役務系の業務

👉 分割請求 → 出荷(または出荷なし)

  • 設定とルールの共有が必須

  • 現場教育が重要


まとめ

  • 分割請求と出荷は数量で必ず整合が取られる

  • 「出荷済/出荷残」「請求済/請求残」で見ると混乱しない

  • 操作順を理解しないと、意図しない状態になる

この挙動を理解しておけば、
「請求できない」「出荷できない」トラブルの大半は防げます。