業務の隙間を埋める技術メモ。

「それ、作れるか?」より 「それ、作って大丈夫か?」を考えたい。 業務で“ちゃんと使える”かどうかを、 実際に手を動かして確かめたログを残しています。

返品データを分析して改善に使う|NetSuiteで実際に見てみた

 

返品が多い業務で重要なのは、
「正しく処理すること」よりも 「同じ返品を繰り返さないこと」ですよね。

NetSuiteでは、
返品請求書・返品理由・数量・金額
といったデータが すでに全部揃っています

今回は、
👉 どのデータを見るべきか
👉 どう切り出すか
👉 何が分かるか

を実務目線で整理しました。


今回のゴール

  • 返品データの取り出し方を理解する

  • 改善につながる切り口を知る

  • 「見るだけ」で終わらせない


まず押さえる:分析の前提

返品は必ず「返品請求書」で処理されていること

  • 請求書削除や修正で対応していると

  • データとして残らない

👉
分析以前に設計が壊れている


NetSuiteで使える返品データ

返品請求書には、以下が揃っています。

  • 商品

  • 数量(マイナス)

  • 金額(マイナス)

  • 顧客

  • 日付

  • 元請求書

  • 元受注

  • 担当者

  • 返品理由(カスタム or 標準)

👉
ERPとしては かなり優秀な素材


① まずはこれを見る(基本指標)

返品率(数量ベース)

返品率 = 返品数量 ÷ 出荷数量
  • 商品別

  • 顧客別

  • 月別

👉
数量ベースは現場改善向き


返品率(金額ベース)

返品率 = 返品金額 ÷ 売上金額

👉
経営・利益改善向き


② 商品別に見てみた

見方

  • 商品

  • 出荷数量

  • 返品数量

  • 返品率


分かること

  • 初期不良が多い商品

  • 説明不足な商品

  • 仕様が誤解されやすい商品

👉
「売れてるから返品多い」と「売れてなくて返品多い」は別


③ 返品理由別に切ってみた

返品理由がある場合、ここが一番効きます。

よくある切り口

  • 初期不良

  • サイズ違い

  • 説明不足

  • 顧客都合

  • 輸送破損


分析結果の使い道

  • 初期不良仕入先交渉

  • 説明不足 → 商品ページ改善

  • サイズ違い → 表記・UI改善

  • 輸送破損 → 梱包・配送見直し

👉
返品理由は改善ネタの宝庫


④ 顧客別に見てみた(危険)

見方

  • 顧客

  • 出荷数量

  • 返品数量

  • 返品率


分かること

  • 返品が多い顧客

  • 条件交渉が厳しい顧客

  • 運用が合っていない顧客

👉
営業戦略に直結するが、扱い注意


⑤ 時系列で見てみた

月別・週別

  • 新商品リリース直後に返品集中

  • 特定時期に急増

👉
リリース・キャンペーンの振り返りに使える


NetSuiteでの実装イメージ(実務向け)

ベース


グループ化

  • 商品

  • 顧客


集計

  • 数量(合計)

  • 金額(合計)

👉
これだけで 80点の分析はできる


ダッシュボードに載せるなら

  • 月別返品率

  • 返品理由TOP5

  • 返品率が高い商品TOP10

👉
数字を見せ続けることが改善


よくある失敗

❌ 返品件数だけ見る

  • 数量・金額を見ない

  • 出荷量を無視

👉
意味がない


❌ 一度見て終わる

👉
改善サイクルに入らない


改善につなげるためのコツ

① 返品理由は必須入力にする

  • フリーテキスト禁止

  • 選択式がおすすめ


② 改善アクションと紐づける

  • 商品改善

  • 取引条件変更

  • 販売停止


③ 改善前後で数値を見る

👉
データは比較して初めて意味を持つ


まとめ

  • 返品データは「失敗の記録」ではない

  • 改善ネタの集合体

  • NetSuiteは分析素材をすでに持っている

返品が多い業務ほど、
ERPを「記録装置」から「改善装置」に変えられる