支払承認フローを作った直後は、だいたいこう思います。
「これで勝ちだ」
「もう勝手に払われることはない」
でも、運用を回し始めると
“普通にすり抜ける”事故が起きます。
今回は、
実際に起きやすい「承認フローすり抜けパターン」を
NetSuiteで再現してみたログです。
今回の実験テーマ
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承認フローが効かない瞬間
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なぜ止まらなかったのか
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どう防ぐべきか
事故パターン① 承認後に支払予定日を戻す
やったこと
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支払予定日:5日後 → 承認必須
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承認済になる
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支払予定日:30日後に変更
起きたこと
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❌ 再承認されない(設計次第)
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承認済のまま
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判断条件が消えたのに、履歴が残る
防止策
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支払予定日変更=必ず再承認
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承認日時を記録
事故パターン② 承認後に金額だけ修正
やったこと
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¥90,000 → 承認不要
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承認済
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¥150,000 に修正
起きたこと
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承認ステータスがそのまま
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支払作成可能
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金額が変わっても再判断されない
防止策
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金額変更トリガーで承認リセット
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変更前後金額を比較
事故パターン③ 一部支払で抜ける
やったこと
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高額支払請求書を承認
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少額だけ先に支払
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残額を後日支払
起きたこと
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後半支払時、再承認なし
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「承認は1回」の落とし穴
防止策
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支払金額での承認も検討
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支払請求書ではなく支払承認に切り替える(限定的)
事故パターン④ まとめ払いで混ざる
やったこと
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承認済と未承認の請求書を同時選択
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まとめて支払作成
起きたこと
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承認済しか見てないつもりが
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未承認も一緒に払われる
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一覧のチェックが甘い
防止策
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承認済のみ支払対象に制限
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検索条件で制御
事故パターン⑤ 権限が強すぎる
やったこと
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経理に管理者ロール付与
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ワークフロー制御を無視
起きたこと
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承認なしで支払作成可能
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ERPあるある
防止策
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管理者ロールを分離
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支払権限を最小化
事故パターン⑥ CSVインポート
やったこと
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支払請求書をCSVで一括登録
起きたこと
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承認フロー未起動
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即支払可能状態
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静かに一番危険
防止策
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CSV後に強制承認ステータス
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インポート専用ワークフロー
⑦ 事故は「機能」ではなく「隙間」で起きる
NetSuiteの承認フローは、
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正常系:強い
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例外系:素通りしがち
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人が考えない経路から抜ける
まとめ
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承認フローは作っただけでは守れない
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「変更」「一部」「まとめ」「権限」「CSV」が地雷
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再承認トリガー設計が命
NetSuiteの承認は
“守りたいものを何度でも問い直す仕組み”。