業務の隙間を埋める技術メモ。

「それ、作れるか?」より 「それ、作って大丈夫か?」を考えたい。 業務で“ちゃんと使える”かどうかを、 実際に手を動かして確かめたログを残しています。

「無茶振りを要件に翻訳する技術」 〜IT部門主任が“炎上案件”を静かに無力化する思考プロセス〜

 

今回はケーススタディで行ってみます。

登場人物

  • 自分(IT部門 主任)
     現場と経営の翻訳家。
     無茶振りを受けるたびに「これは事故か?」を瞬時に判断してしまう癖がある。

  • 上司(部長)
     IT知識ほぼゼロ。悪気なし。
     だが「とりあえず聞いてみて」が多い。

  • 社長
     AIという言葉が好き。
     でも本当は「成果」が欲しいだけ。


典型的な無茶振り、来ました

ある日の午後。

上司

社長がさ
「AIで営業の受注率上げられないか」って言ってて
できる?

自分(心の声)

・AI
・営業
・受注率

何も決まってない三点セット

ここで 「無理です」 と言うと詰む。
「できます」 と言うともっと詰む。


無茶振りは「翻訳前の言語」

まず認識を切り替える。

無茶振り ≠ バカな要求
無茶振り = 未翻訳の経営言語

社長・上司は

  • 技術を知らない

  • でも課題は感じている

👉 要件が崩れているだけ


ステップ①「目的」だけを抜き出す

自分は、こう聞き返す。

自分

社長が一番困ってるのって
・商談数
・成約率
・営業の工数
どれですか?

上司

えっと…
「営業が忙しい割に成果が見えない」って言ってたな

👉 翻訳完了①
目的:営業のムダ時間を減らしたい


ステップ②「AI」を一旦捨てる

次にやるのは、AIという言葉を消すこと。

自分

営業って、何に一番時間使ってます?

営業

日報ですね…
商談後に思い出しながら入力するのがしんどい

自分(心の声)

出た、日報
日本の労働生産性を下げ続ける魔物

👉 翻訳完了②
課題:商談後の記録作業が重い


ステップ③「人がやらなくていい作業」を切り出す

ここで初めて、技術を当てはめる。

  • 日報入力

  • 活動履歴の整理

  • 上司向け報告資料作成

👉 考える仕事じゃない


要件に落とすとこうなる

❌ 無茶振り

AIで営業改革できない?

⭕ 翻訳後要件

商談メモを自動整理して
日報と報告資料を半自動で作りたい

ここまで来れば、もう勝ち。


技術構成(現実解)

  • Microsoft Forms(簡単入力)

  • Power Automate

  • SharePoint

  • Teams

  • Python(要約)

  • ※ここでやっとAI(文章要約)


現場との会話(重要)

営業

え、AIが勝手に日報書くんですか?
変なこと書かれたら困るんですが…

自分

下書きだけ作ります
最後に見るのは人です

営業

あ、それなら助かります

👉 AIは提案、決定は人


Python:商談メモ要約(超現実的)

from openai import OpenAI

client = OpenAI()

def summarize(text):
    response = client.responses.create(
        model="gpt-4.1-mini",
        input=f"以下を営業日報用に要約してください:\n{text}"
    )
    return response.output_text

memo = "本日はA社と打ち合わせ。価格に懸念あり..."
print(summarize(memo))

※社長には

「文章整理をAIに手伝わせてるだけです」
で十分。


Power Automate(全体フロー)

  1. 営業が商談後に簡単メモ入力

  2. Pythonで要約

  3. SharePointに保存

  4. Teamsで本人に下書き通知


社長への報告(翻訳後)

自分

営業の日報作成時間を
1件30分 → 5分にできます

社長

それ、AI?

自分

はい(嘘ではない)

社長、満足。


無茶振り翻訳のコツまとめ

IT主任的チェックリスト👇

  • □ 「AI」という単語を削除した?

  • □ 困ってる人を特定した?

  • □ 時間が奪われてる作業は?

  • □ 人が判断しなくていい部分は?


このスキルの本質

無茶振りを処理する力 =
IT力 × 国語力 × 空気を壊さない胆力

そして一番大事なのはこれ👇

無茶振りを
「殴り返さない」
「真に受けない」
「翻訳する」