業務の隙間を埋める技術メモ。

「それ、作れるか?」より 「それ、作って大丈夫か?」を考えたい。 業務で“ちゃんと使える”かどうかを、 実際に手を動かして確かめたログを残しています。

キャッシュアウト予測と承認フローの関係 〜現場で実際に起きた「ちょっとした混乱」から考える〜

 

はじめに

 

ちょっとDX事例からそれるけど、これはこれで現場の困った事例を挙げてみますね。

 

1. まず、現場で何が起きたのか

ある月末のこと。

経理「今月の支払、だいたいこのくらいです」

社長「“だいたい”じゃなくて、来月の資金繰りを見たいんだよ」

経理「承認はまだ途中なので、確定とは言えなくて……」

その横で、

営業「急ぎの支払いが一件増えました」

上司「それ、もう承認回ってる?」

営業「いえ、これからです」

全員、ちゃんと仕事をしている。
誰もサボっていない。

それなのに、

  • 経営は不安になる

  • 現場は説明に困る

  • IT部門は板挟みになる

という状態が起きていた。


2. 表面に見えていた問題

当時、表に出ていた困りごとはこんな感じだった。

  • キャッシュアウト予測が毎月ズレる

  • 「承認済み」と言われても信用しきれない

  • 月末になると確認作業が増える

どれもよくある話だと思う。


3. 少し掘ってみて分かったこと

IT部門として、
現場・経理・上司に順番に話を聞いてみた。

すると、
全員の言っていることは正しいのに、
前提が少しずつ違うことが見えてきた。

立場ごとの認識

  • 経営:今後のお金の動きが知りたい

  • 経理:確定していない数字は出したくない

  • 営業:案件優先で柔軟に動きたい

問題は、

「この支払いは、もう決まったものなのか?」

という問いに、
共通の答えがなかったことだった。


4. 承認フローのどこがズレていたのか

承認フロー自体は存在していた。

  • 請求書は登録されている

  • 承認ルートも設定されている

ただし、

  • 承認後でも金額が変わる

  • 支払予定日が後から動く

という運用になっていた。

現場からすると便利。

一方で、

「承認済みなのに、数字が動く」

状態が、
キャッシュアウト予測を不安定にしていた。


5. ここで初めて気づいたこと

承認フローは、

  • 作業を通すための手続き

として使われていた。

でも経営が欲しかったのは、

「この支払いは、会社として進めると決めた」という合意

だった。

同じ「承認」という言葉でも、
意味が少し違っていた。


6. 対策として考えたこと(大きく変えない)

いきなり仕組みを全部変えるのは現実的じゃない。
そこで、

対策① 承認時点の情報をそろえる

  • 金額

  • 支払予定日

この2つは、
承認時点で一度決めきる。

変わった場合は、

「状況が変わった」という共有

として、再確認する。


対策② 承認ステータスで数字の扱いを分ける

  • 未承認:参考値

  • 承認済:予測に使う値

経営に出す数字は、
承認済みだけにした。


対策③ 例外は最初から分けて考える

  • 緊急支払い

  • 事後承認

は、
通常フローとは別枠。

これだけで、
全体像はかなり見えやすくなった。


7. AIの話が出る前に整理すべきこと

社長「最近はAIで何でもできるんだろ?」

期待が出るのは自然だと思う。

ただ、

何を“決まった”とするか

が整理されていないと、
AIも判断できない。

まずは、
人の合意をそろえるところからだった。


8. まとめ:問題は人ではなく、整理の順番

  • 現場は頑張っていた

  • 経営も間違ったことは言っていない

ズレていたのは、

問題の整理の順番

だった。

承認フローは、
業務を縛るためではなく、

安心して先の話をするための土台

だということを、忘れないようにしよう。( ..)φメモメモ