業務の隙間を埋める技術メモ。

「それ、作れるか?」より 「それ、作って大丈夫か?」を考えたい。 業務で“ちゃんと使える”かどうかを、 実際に手を動かして確かめたログを残しています。

Power Platformで社内試験アプリを作る方法|第1回:全体設計と役割分担

前回の記事では、
なぜ「社内試験」という仕組みが必要になり、
なぜPower Platformを選んだのか、という背景を書きました。

今回はそこから一歩進み、
社内試験アプリをどう作るかを、設計レベルで解説します。

いきなり画面やフローの話には入りません。
Power Platformで失敗しにくい作り方は、
「どのツールに何をやらせるか」を最初に整理することだからです。


1. 社内試験アプリの要件を整理する

まず、今回作る社内試験アプリの要件を明確にします。

  • 社内向けの確認テスト

  • 選択式問題

  • 制限時間あり

  • 試験後に自動採点

  • 分野別の結果集計

  • 弱点を文章でフィードバック

この時点では、
「Power Appsでどう作るか」は考えません。

業務として何を実現したいかだけを定義します。


2. 要件を機能単位に分解する

次に、要件を実装しやすい単位に分解します。

  • 問題を表示する

  • 回答を受け取る

  • 制限時間を管理する

  • 回答を確定する

  • 採点する

  • 結果を保存する

  • 分野別に集計する

  • 弱点を言語化する

ここまで分解できれば、
「何を作るか」はかなり明確になります。


3. Power Platformでの役割分担を決める

Power Platformでは、
1つのツールですべてを完結させようとしないことが重要です。

今回の試験アプリでは、次のように役割を分けます。

Power Apps(試験画面)

  • 問題の表示

  • 回答の入力

  • 残り時間の表示

  • 試験終了操作

「人が操作する部分」だけを担当させます。

Power Automate(裏側の処理)

  • 試験終了をトリガーに採点

  • 結果の確定

  • 通知やデータ更新

画面から切り離すことで、
処理がシンプルになります。

Power BI(可視化・分析)

  • 分野別正答率

  • 個人ごとの弱点傾向

管理者や教育担当が
考えるための画面を作ります。

AI Builder(言語化

  • 数値データをもとに

  • 弱点を文章として生成

単なる点数表示で終わらせないための役割です。


4. データ設計の考え方(この段階で決める)

実装前に、最低限次の点を決めておきます。

① 問題マスタ

  • 問題文

  • 選択肢

  • 正解

  • 分野(カテゴリ)

② 回答ログ

  • 受験者

  • 問題ID

  • 回答内容

  • 正誤

  • 受験日時

③ 試験状態

  • 未開始

  • 受験中

  • 完了

この3つを分けて設計しておくことで、
後から分析や拡張がしやすくなります。


5. なぜ最初に設計を固めるのか

Power Platformは、
画面もフローも簡単に作れます。

その分、
考えずに作り始めると、後から修正コストが跳ね上がる
という特徴があります。

特に試験アプリのように、

  • 状態管理

  • データ蓄積

  • 分析

が絡むものは、
設計がそのまま品質になります。


次回予告

次回は、
問題マスタと回答ログを実際にどう作るかを解説します。

  • SharePointを使う理由

  • 列設計の考え方

  • 後から効いてくるフィールド

ここを理解すると、
Power Platformでの業務アプリ開発
かなり安定してくるのでは、と思います。