業務の隙間を埋める技術メモ。

「それ、作れるか?」より 「それ、作って大丈夫か?」を考えたい。 業務で“ちゃんと使える”かどうかを、 実際に手を動かして確かめたログを残しています。

会議室の“空予約”を自動削除してみた。Power Automateで作る超ミニDX

 

会社の会議室、予約は埋まっているのに誰も使っていないことってありませんか。

私はかなりあります。

「この時間空いてないじゃん…」
と思って別の時間を探していたら、実はずっと空いていた、という経験は一度や二度ではありません。

これ、よくある話ですが、地味に生産性を下げます。

  • 会議室が足りないと錯覚する

  • 無駄に時間を調整する

  • 早めに予約して囲い込みが発生する

という悪循環が起きます。

そこで今回は、

「開始しても使われていない会議室予約を自動で削除する仕組み」

を、Power Automateを使って実際に作ってみました。

結果として、思っていたよりも簡単で、かなり実用的でした。

この記事では「読めばそのまま作れるレベル」で手順を書きます。


作ろうと思ったきっかけ

理想は「人が気を付けること」ですが、こういうのは大体守られません。

  • 忘れる

  • 急用が入る

  • 予約解除が面倒

人を教育するより、仕組みで潰す方が早いと思いました。


今回やること(完成イメージ)

仕組みはかなりシンプルです。

✔ ルール

  • 会議開始から10分経過

  • 誰も参加していない

  • → 予約を自動キャンセル

さらに、

  • Teamsに「空いたよ」と通知

までやります。


使用する技術

全部Microsoft標準のものです。

  • Outlook(会議室カレンダー)

  • Power Automate(自動化)

  • Teams(通知)

追加コストはゼロです。


事前準備

① 会議室が「リソース」として登録されていること

Outlookの会議室予約は、通常「会議室メールアドレス」で管理されています。

例:

meeting-room-a@company.com

これが存在していればOKです。


実装手順

ここからが本題です。


STEP1:Power Automateでフローを作る

Power Automateにアクセスします。

https://make.powerautomate.com

「自動化されたクラウドフロー」を作成


STEP2:トリガーを設定

トリガー

👉「イベントが追加、更新、削除されたとき」

Outlookコネクタを使用します。

設定内容

  • カレンダーID
    → 会議室のカレンダーを指定


STEP3:条件分岐を作る

ここがポイントです。

条件①

会議開始時間が「現在時刻より前」

Power Automateでは式を使います。

less(item()?['start'], utcNow())

条件②

開始から10分経過している

addMinutes(item()?['start'],10)

STEP4:「参加者がいるか」を確認

Outlookイベントには参加者情報があります。

取得アクション

👉「イベントを取得」

ここで、

  • 出席者数

  • 参加ステータス

を取得できます。


チェック条件

「Accepted(参加)」がゼロかどうかを確認します。


STEP5:会議を削除

条件を満たしたら、

👉「イベントを削除」

を実行します。

これで予約が解放されます。


STEP6:Teamsに通知

削除しただけだと気づかれないので通知します。

アクション

👉「チャネルにメッセージを投稿」

例:

会議室Aが空予約だったため解放しました。

実際に動かしてみた結果

正直、想像以上に効果がありました。


✔ 会議室争奪戦が減った

「どうせ空いてない」が減りました。


✔ 早取り予約が減った

囲い込みが減り、必要な時間だけ予約されるようになりました。


✔ 会議文化が少し改善

「使わないなら解除する」が浸透します。

人は注意されるより、
システムに怒られる方が行動を変える気がします。


作ってみてハマったポイント

■ 社長の会議が消える恐怖

役員会議まで消えたら炎上します。

対策として、

タイトルに「重要」が含まれる場合は除外

などの条件を追加しました。


■ 会議開始時間がズレる問題

Teamsは5分遅れで始まることが多いです。(あらためて文字にするとルーズだなと思う、、)

なので今回は、

10分猶予
を設けています。


■ 外部会議は判定できない

リアル会議は検知できません。

この仕組みは、

👉 Teams会議中心の会社向け

です。


改良アイデア

作ってみると色々見えてきます。

✔ 入室ログを判定

Teams参加履歴と連携

✔ 主催者に警告

削除前にDMを送る

✔ 会議利用率を可視化

DXネタとしてはかなり面白いです。


このDXの良かったところ

巨大システムは一切作っていません。

やったことは、

  • SaaSをつなげただけ

  • 2時間程度の作業

  • ノーコード中心

それでも、日常のストレスはかなり減りました。


小さいDXは意外と効く

DXというと、

  • AI導入

  • 大規模システム刷新

  • 数千万プロジェクト

みたいな話になりがちですが、

現場が嬉しいのはむしろ、

「この無駄なくしてほしい」

という小さな改善です。


まとめ

今回作ったものはかなりシンプルです。

でも、

  • 予約文化が変わる

  • 会議室が増えたように感じる

  • 調整コストが減る

という効果が出ました。

DXは必ずしも派手である必要はなく、

「ちょっとしたイラッ」を潰す

これだけで十分価値があると思っています。